KLタワーへ登りに行った。
KLタワーとはクアラルンプールタワーのこと。世界で4番目に高いらしい。
ここでおもしろいトルコ人に会った。
KLタワーは、小高い丘の上に立っているため、ゆるやかな坂道を歩いていく。
ここは観光地だから、当然観光客が多い。
今追い越していった外人も、その1人に違いない。
KLタワー丘下の入り口には、門があり警備員がいた。
その警備員とさっきの外人が、何やら話している。
そのそばへ行くと、横付けされてるミニバンに乗るように言われた。
丘上の入り口まで送ってくれるらしい。
外人はすでに乗っていた。
「タダで上まで乗せてくれるんだねー。イヤ〜便利便利。」
などと話していたら、突然、
「日本人ですか?」
流暢な日本語で話しかけられた。
あれ?ミニバンには私を入れて日本人2人と、外人さんだけ。
だれが日本語を話したのかな?
どこかに日本人が隠れてんのかな?
あたりを見まわしたが、それらしき人物はいない。
おかしいなー。目の前ににこにこしてる人間がいるぞ。
誰だ?
さっきの外人その人だった。
彼が話しかけてきたのだった。
「なんで日本人がいるのー!もう!驚いたなー!イヤーちょっと待ってよ!」
こっちが驚いたよ。
何でこんなにペラペラなんだ?
彼の名はバクティー。
もっとちゃんとした長い名前らしいが、発音が難しいので省略。
現在、高崎経済大学に留学中の1回生。
おっ。高経ね。知ってるよ。
ってことで、高経(たかけい)と略して言うと、大喜び。
何でまた高崎なの?
「ねー。何で高崎なんだろ。俺・・・」
って自分で決めたんじゃないんか?
東京の方が良かったらしいが、なぜか高崎にいる20歳。
絶対20歳に見えない。
KLには、トルコに帰るためのトランジットで寄ったそうだ。
KLタワーも一緒に見ることにした。
バク:「ここもいいけど、都庁の方がスゴイね。行った?」
まり:「行ってない」
バク:「エー!!ここにいるより先に東京行った方がいいんじゃない?」
余計なお世話だ!
口が達者なトルコ人。おもしろいヤツめ。
KLタワーは観光客でいっぱい。
もちろん日本人もたくさんいた。(らしい。私は見てない)
「俺ねー、日本人と中国人の違いわかるよ。あっ、あれ日本人だ」
「スゴイね。何で見分けられんの?難しいでしょ?」
「日本語学校が中国人ばっかりだった。大学も中国人ばっかり」
なるほど。それならわかるようになるわな。
バクティーは中国人が嫌いらしい。
「だってさー、あいつら、ナンかもう、殺してヤリタイヨー」
なんちゅうこと言うんだ!
もう話し言葉は完璧じゃないか。素晴らしい。
こんな悪態がつけるなんて。
何がいやなのかはよくわからんが、とにかく嫌いなのはよーくわかった。
その言葉で十分だ。
このまま別れるのもなんだから、マックへ行ってしゃべることにした。
バクティーは大学がつまらないらしい。
「だって、日本人に話しかけても最初は付き合うけど、そのあとは・・・。
友達もあんまりいないし、つまんない。日本人は何考えてるのかわからない」
これは、外国人が日本人について思うことベスト1だな。
本音と建前があるからねー。
思ってても口に出さないことが多いし。
これがバクティーにはわからないらしい。
「なんで思ってること言わないの?」
なんでもかんでもしゃべってたら、日本じゃ相手にされなくなる。
日本人は、相手のことを考えて控えめにしてるんだと思うんだが。
これがあいまいな態度に見えるらしい。
アメリカみたいに、自分の意見がないやつは生き残れないような社会も、どうかと思うが。
だって自分の主張ばっかしてたら、うるさいよ。
だから『ここが変だよ!日本人』嫌いになったんだけど。
「俺の友達それ出てるヨ」
へー。世間は狭いねー。どうやらあれも結構いいバイトになるらしい。
「長い旅行なら、トルコに来てみたら?俺の家新しく建てたから、前の家が残ってるんだー。
すごく大きいけど、誰も住んでないの。使っていいよー」
なに!!そんなうまい話があるのか?
新築して、前の家も残してあるなんて、結構な金持ちじゃないか。
思わずKLからトルコ行きもいいわね〜・・・なんて考えたが、いかんいかん。
その中間が見れないじゃないか。
インドやパキスタンの遺跡が見れなくなってしまう。
「じゃあ、年末あたりにトルコ行くかも」
「えー!じゃあ俺も帰るから会えるよー」
ってことで年末トルコ行きは、ほぼ決定。
トルコで年越しもいいかもしんない。
「トルコからどこでも行けちゃうよ。車でギリシャやブルガリア、シリアもイランも行けるよ」
「イラクは?」
「行けるけど危ないよー。俺の顔なら大丈夫だけど、日本人の顔はヤバイねー」
トルコ人でもイラクは危ないらしい。
はー。バビロン見たいのに。いつになったらイラクへ安全に入国できるんだろう。
爆撃で壊されてなきゃいいが。
そうそう、彼の話でおもしろいのがあった。
トルコは制限速度が一応あるが、市外へ出ちゃえばどうでもよくなるそうだ。
バクティーがいつものように180km/hでドライブしてると、突然彼の横を『なにか』が通りすぎたそうだ。
あまりにも速すぎて、一瞬で彼を抜き去っていったその車はベンツ。
ゆうに350km/hは出てたそうだ。
彼曰く、
「あんなに速い車は初めて見た」
アンタも十分速いよ。
そんなバクティーは、日本でも車を運転している。こわい。
そういえば国際免許で違反したら、点数はどうなるんだろう?
素朴な疑問。まあいいや。
バクティーとは再会を約束して、そのあと別れた。
メールで連絡やり取りできるから、きっとまた会えるだろう。
2000/8/23 |